やさしい腸活【20】漢方2どうして漢方?
腸活には
①腸内細菌を善玉菌にする(生きた菌)
②腸内細菌の喜ぶ環境を作る、餌を与える(食物繊維・オリゴ糖)
③腸そのものを丈夫にし活動力を与える(漢方)
の三段階があります。
までは食物繊維と腸内細菌を中心にしながら①②腸の中(中身)の改善法についてでした。
漢方薬は内臓を温めたり冷やしたり、栄養が漏れないように留めたり、逆に余分なものの排泄を促進したり、色んな働きを処方によって行うことができますが、今回はいつもちゃんと働く、③腸そのもの(器)を丈夫にするための漢方薬を考えます。
腸を丈夫にする漢方薬の働きの最初は
【温】
文字通り冷えた腸を温める事です。
運動不足・姿勢が悪い・冷やす食事・体力の低下・老化によって身体が冷えてる。そんな人に必要です。
一般的に冷えるとウンチがとても軟らかく水の様になります。気温が下がったり疲れると、なお顕著です。
これを改善するのが漢方薬の働き【温】です。
次の働きは
【緩】
緩=ゆるめるです。
腸がこわばって固くなり、動きが悪くなったものを改善します。
原因は主にストレスです。ストレスによって腸の活動が停滞し、ウンチの元が動かなくなります。水の様なウンチになることもコロコロのウンチになる事もありますが、お腹の痛くなる事が共通点です。
この腸の緊張を解く、これが漢方薬の持つ【緩】の働きです。
【滑】
滑=ウンチの流れをなめらかにする事です。
胆汁や腸液の分泌を正常化します。
幾ら食物繊維があって生菌を服用しても、腸の中の消化液分泌液が少なければガサガサで上手く進みません。腸の中の水分調節はとても大切です。特に胆汁は油物を消化するとともに、石鹸液の様に働いてウンチをスルッと滑らせる作用があります。それを腸液の分泌と同時に改善します。同じ薬が腸と肝臓や膵臓にも働きかけ、正常化するのも漢方薬の凄いところです。
最後の働きが
【弾】
腸に弾力性を与える。運動能力を高める。ハズムためには縮んで伸びる事が必要です。
漢方薬は「縮む力伸びる力」両方を同時に改善します。腸は蠕動運動、分節運動、振子運動を行って消化を促進し便を形成します。緩めながら伸縮力も与える、漢方薬はそれを同時に行う事で全ての腸管運動を改善する事ができます。
漢方薬だからできる【温緩滑弾】。それぞれの働きを適切に活用することで、はじめて善玉菌が繁殖できる環境が整います。器が出来上がるわけです。
漢方薬の力を100%発揮させるためには、服用される方のタイプにピッタリ合わせた薬の選択がなにより大切です。
ホンダ薬局が「対話」を大切にするのはそこを見誤らないためです。
上っ面だけを聞いて解ったふりをしてしまっては最低です。
同じ冷えでも「冷やすものが強い場合」と「暖める力の足りない場合」では改善方法が違う、この二つを混同していては漢方家ではない。私達の師匠の言葉です。
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